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PG論考① ~PGは現代バスケの縮図か~


toragameさん

タイトル  PG論考① ~PGは現代バスケの縮図か~
投稿日時 2010/12/25 03:19:23

 果たしてPGはボール運び・司令塔を求められるポジションなのでしょうか。どうも紋切り型というか、演繹的に求められたポジション像のような気がしてなりません。もう少しPGについて現実から帰納的に考えてみる機会が必要なのではないか。といってもすべて帰納的に捉えるほどの余裕もございませんので、叩き台としていくつかのタイプを紡ぐことからはじめようと思います。ざっくりとですので、境いが曖昧な選手も多く存在するはずではありますが。

 今回はナッシュとドラギッチ(サンズの正PGと控えPG)について考えてみたいと思います。理由はそうです、私がサンズファンだからです。

 まずナッシュは、説明不要かと思いますがNBAを代表するガードであり、アウトサイドのシュート力、ドリブルイン、アシスト、ドリブルキープ、状況判断等ガードとしてのあらゆる能力に秀で、チームは彼を中心に構築されるラン&ガンスタイルを特徴としています。まさしくガードがチームのコアプレイヤーとなっている典型例と言えるでしょう。
 このように万能な能力を持ち、さらにチームの核として強烈なリーダーシップを発揮するタイプを【支配型】と仮に命名いたします。ナッシュの他にはホーネッツのクリス・ポール、昔で言うならばマジック・ジョンソンが当てはまるでしょう(マブスのキッドやナゲッツのビラップスは別のタイプに分類しようと考えていますが、非常に近しいところがあります)。

 このタイプの利点としては、個人で打開することも、ノーマークの選手を活かすことも自由自在であり、他の4人にある程度のレンジからのシュート力さえあればオフェンスを有利に展開することができます。ただ欠点としては、PGへの依存度が大きく、選手交代や怪我等で戦列を離れた場合、大きくチームオフェンスのスタイルを変更せざるを得ないことでしょう。

 控えのドラギッチにはナッシュほどのリーダーシップ、パス能力はありませんが、シュート力やドライブの能力には非凡なものがあります。SG的とも言えるかもしれませんが、彼のようなタイプを【シューター型】と命名したいと思います。
 ナッシュのような万能プレイをドラギッチに求めることはできませんが、代わりに彼のシュート力を活かしたプレイを行うことができれば、チームに貢献できるはずです。彼のドリブル能力からして、安定したボール運びが可能であり、フロントコートまでの役割はナッシュと変わるところはありません。しかし、いざオフェンスをセットするとなったとき、彼に司令塔の役割を与えるのは決して得策ではありません。彼が未熟といえばそれだけかもしれませんが、それだけでなく、彼のシュート力という長所がつぶれてしまうのです。

 【シューター型】の代表的な選手にホークスのマイク・ビビィを挙げたいと思います。彼の3Pは5割以上の確率を誇ります。彼に司令塔役やパサー役を任せることが得策なのか。むしろ他の選手にボールを預け、自分がフリーになる機会をチームオフェンスの中で得て、シュートで貢献することの方が得点力が30チーム中20位の「チーム事情」を考えた場合、重要な気がしてなりません。ただ彼の手元にボールがあるときに、チームオフェンスが安定して回っていくことも事実です。

 今回は【支配型】と【シューター型】について考えてみました。【支配型】はいわゆるチームリーダーをPGが兼ねているタイプであり、【シューター型】はゲームメイクよりシュートチャンスを如何に得るかが重要になるように思われます。結論は先送りにしますが、「チーム事情」「個人の特性」というのが従来のPG像を打破する因子になりそうな予感です。次回はもう少し考察を深めて【インサイド型A】と【インサイド型B】について考えてみようと思います。

コメント

すばらしく几帳面に論考されてますね~。
うむむ。続きを読もう。

初心忘るべからずさん
2010/12/25 17:32:28
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